雨ふってんじゃねえよ

俺は雨にキレている。

雨とは、大地を潤し、川や湖が枯れない為にとても貢献している、あの雨である。

古来から人々は雨により実った農作物や、水辺に発生する生物を食べて来たことから雨に大変感謝してきたのであろう。

しかし、俺は今その雨にめちゃくちゃキレている。

何故なら仕事中雨が降ると寒いし汚れるし気持ち悪いからだ。

俺の仕事は型枠大工といい、生コンを流すための木製の枠を作る仕事をしている。ほぼ外で行う工事仕事なのである。

この仕事は建物を作るための仕事であるので、仕事をしているときは雨を凌げる場所が無い。というかそれを作っている。

なので仕事中は雨ざらしなのである。

雨に濡れると、まず寒い。どんなに暑い日でも、雨に濡れつづけると体温が下がる。寒い日は指先の感覚が無くなるほど寒くなる。

また、服が肌にくっつくので気持ち悪いし、靴も濡れる。でもくっつく系で一番嫌なのは前髪が濡れて変な分け目みたいになってしまう事だ。

このような事を避けるために俺たちは合羽と長靴を着用するようにしている。この装備であれば前髪以外は濡れないので上記の嫌な事はほぼ防げる。

しかし、この合羽にも欠点があり、一つは常に使っているためにめっちゃカビ臭くて気持ち悪いという事と、動きがめちゃくちゃ制限されるという事だ。

そもそも着る事も面倒臭いのであまり進んで着けたいものではない。

そして、もっと嫌なのが道具が濡れて、現場によってはそれが泥だらけになってしまうという事なのだ。

俺たちの仕事は道具が無いと進まないので、とにかく道具は大切である。勿論それに投資もしている。

雨が降ってしまうとそれらに水が入ったり泥で動きが悪くなってしまったりする。最近のものはほとんど防水・防塵使用となっているが、やっぱりそれでも故障のリスクは高くなる。なので、なるべく濡れない所に道具を非難させたりするが、結局作業が遅くなってしまう。

 

たかが雨が降るだけで、これだけストレスが溜まってしまうのである。

雨降ってんじゃねえよ。

でもいくら自然現象にキレてもしょうがないし、みっともないという事はわかっている。

だから俺は休む。

「晴耕雨読」という熟語があるように、俺たちの先祖もきっと雨に対してキレていたのだと思う。だから「雨の日は読み物しよう」みたいな事言って普通に休んでいたんだと思う。

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